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京都府立大学からのお知らせ

京都府立大学 動物機能学研究室の研究成果が 国際学術誌「Nutrients」に掲載されました


            近年注目される
「4種の希少糖」の腸ホルモン分泌能と飽満感創出作用の比較解析
    甘味を有して低カロリーな希少糖の有益効能を発見

 自然界にごく微量しか存在しない希少糖は、現在までに約50種類が知られています。そのうちいくつかは大量合成法が確立されており、甘みを持ちながら低カロリーであることから、機能を有する食品成分として注目が集まっています。希少糖の1つであるD-アルロースは、抗糖尿病薬や抗肥満薬のモデルとなった消化管ホルモンGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)の分泌を促進し、肥満や糖尿病の予防?改善に寄与する可能性が示されています。一方、それ以外の希少糖によるGLP-1分泌促進作用や、過食抑制効果については、これまで明らかにされていませんでした。

 この度、京都府立大学大学优德w88官网_w88优德官网手机版-登录下载命環境科学研究科動物機能学研究室の岩﨑有作教授と増田雄太特任助教を中心とする研究グループは、松谷化学工業株式会社との共同研究により、低カロリーかつ大量合成が可能な4種の希少糖を選定し、マウスを用いた実験でそれらの機能を評価しました。その結果、以下を発見しました。

  ① アルデヒド構造を有するD-アロースと比較して、ケトン構造を有する3種の希少糖
   :D-アルロース、D-タガトース、D-ソルボースは、いずれも同程度の強さでGLP-1の分泌を強く促進しました。
  ② この3種の希少糖は、空腹後の“ドカ食い”行動を有意に抑制する効果を示しました。
  ③ 興味深いことに、GLP-1分泌促進作用が弱かったD-アロースも、GLP-1受容体とは異なる未知の機構により、
    満腹感を引き起こす作用があることが明らかになりました。

 本研究により、甘味を持ちながらも低カロリーな希少糖の中に、GLP-1の強力な分泌促進作用や過食抑制作用を持つものが存在することが示されました。肥満や2型糖尿病が世界的に増加する現代社会において、これらの機能性希少糖をうまく活用することで、甘味を楽しみながら摂取カロリーを抑え、生活習慣病の予防?改善に貢献できる可能性が期待されます。

 

論文情報

論文名(英語)  Abilities of Rare Sugar Members to Release Glucagon-like Peptide-1 and Suppress Food Intake in Mice
論文名(日本語)  多様な希少糖の腸ホルモンGLP-1分泌能と摂食抑制効果:マウスでの検証
著者名(日本語)  Yuta Masuda ?,Kento Ohbayashi ?,Kengo Iba, Rika Kitano, Tomonori Kimura, Takako Yamada, Tohru Hira, Toshihiko Yada* and Yusaku Iwasaki*(?共同筆頭著者、*代表著者)

雑誌名 Nutrients, 17, 1221 (2025)
論文の公開ページはこちら(外部リンク:MDPIサイト)

用語説明

(1)GLP-1
腸ホルモンglucagon-like peptide-1(グルカゴン様ペプチド-1)の略。食後に分泌され、インスリンの分泌を促進したり、満腹感の創出に関与するペプチドホルモン。しかし、GLP-1は非常に不安定で血中での半減期は1-2分である。そこで、生体内で安定なGLP-1のアナログが開発された。このGLP-1受容体作動薬は、現在、糖尿病治療薬、そして、抗肥満薬として利用されている。

(2)ケトース

単糖はその化学構造から大きく2種類に分類され、ケトンを有する単糖をケトースと呼ぶ。ケトースには、一般糖としてD-フルクトース(果糖)があり、希少糖ではD-アルロースなどがある。

(3)アルドース
アルデヒドを有する単糖類の総称をアルドースという。D-グルコース(ぶどう糖)やD-アロースがある。
【本発表資料のお問い合わせ先】
京都府立大学 大学优德w88官网_w88优德官网手机版-登录下载命環境科学研究科  教授 岩﨑 有作(いわさき ゆうさく)
Tel & Fax: 075-703-5620
E-mail: ysk-iwasaki@kpu.ac.jp

【本リリースの発信元】
京都府立大学 企画?地域連携課
〒606-8522 京都市左京区下鴨半木町1-5 
Tel: 075-703-5147
E-mail: kikaku@kpu.ac.jp

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